心理カウンセラーという仕事

心理カウンセラーと相談者との関係

このページでは心理カウンセラーという職業が、どのような役割でどんな仕事をするのか？これからカウンセリングを学ぶ方向けに紹介しているページです。

心理カウンセラーとは

一身上の悩みや問題を持つ人に対して、主に対面による面接を通して相談相手になる人やそれを職業にしている人のことを一般的に「心理カウンセラー」と呼んでいます。

相談と言っても友人や家族に相談することと心理カウンセラーに相談することにどんな違いがあるのでしょうか？心理カウンセリングが対象としている「悩み」や「問題」とはどんなことなのか？

また、心理カウンセラーの面接や相談がどのようにおこなわれているのかを知ることで、カウンセラーの役割について確認していきたいと思います。

なお、心理カウンセラーの役割と言っても企業や病院、学校など、さまざまな立場の心理カウンセラーが、それぞれの「役割」をもって複合的な業務に従事されています。ここでは、「心理カウンセラーと相談者(クライエント)」という一対一の枠組みの中にある「役割」について紹介したいと思います。

カウンセラーが対応する主な悩み・問題

カウンセリングの対象となる問題は、その人と環境によって様々です。また、1つの悩みにはいくつもの問題が絡み合っていることが多いので問題と言っても一口にはできません。

上で紹介したように、心理カウンセラーは幅広い分野から多様な状況の相談者と関わることになると思います。しかし、カウンセリングは万能な問題解決の方法とは言えません。

例えば、うつ状態の相談者を対応する場合、まずは精神科や心療内科での診断が必要になり、薬の服用など、医師が対応したうえでカウンセリングを受ける許可があればカウンセリングをおこなうことが可能です。

軽い落ち込みなど、軽度のうつに対してはカウンセリングが有効に働くことは知られていますが、日常生活に支障をきたすレベルの問題は、どれだけベテランのカウンセラーが対応しても効果はありません、逆に問題が大きくなる可能性もあり危険です。

つまり、「カウンセリングは治療ではない」ので、精神的・肉体的に病気と判断される可能性のある問題に医師の診断なしにカウンセリングで対応することはできません。

心理カウンセリングとは、カウンセラーが「言葉」や「表情」や「仕草」などの表現を利用して（言語的または非言語的なアプローチ）を通して面談をおこない、相談者を援助する行為のことを言います。

心理カウンセリングには「傾聴」と呼ばれる治療的に話を聴くための技法があります。カウンセリングを学ぶ人にとって「傾聴」は基本的な技法ですが、とても奥の深い技術です。こうした技法や理論を用いておこなう心理カウンセラーの実務は一般的に以下のような事柄が挙げられます。

こうした項目はカウンセラーの実務の一部に過ぎませんが、カウンセラーがおこなう相談には多くの知識と経験が必要であることが分かります。また、精神科や心療内科などの専門機関との連携が重要（※リファー）な仕事でもあります。

適切で無理のない判断をするためには、カウンセラーは自身の能力の限界を知っている必要があり、相談者の状態を専門家として見立てる技能が必要です。

※リファー(紹介)

リファーとは、クライエントに対して十分な対応ができない場合、他の精神科や心療内科などの適切な専門家にクライエントを紹介すること。

心理カウンセリングは「治療」ではないと説明しました。しかし、もしこれから心理カウンセラーを目指して学ばれるのであれば、「人間関係」「職業」「育児」など、カウンセラーが扱う問題は「人の人生を大きく左右する」問題であることを忘れないでください。

例えば、育児上の問題をうまく援助できなかったとすれば親が路頭に迷うばかりでなく、子供に暗く辛い人生を歩ませることになるでしょう。それは、進路や職場の問題でも同じことです。

カウンセラーは、相談者が直面するさまざまな問題を、多くの学問に裏付けられた理論と技術を用いて援助をおこないます。そして、問題を乗り越えていく相談者の良きパートナーであることが、カウンセラーの役割だと思います。

ご閲覧ありがとうございました。心理カウンセラーについてはなんとなく知ることができましたでしょうか？次のページでは、カウンセラーがおこなう「心理カウンセリング」がどのようなものなのか解説します。

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