不安階層表
不安階層表は、学習理論に基づく行動療法および認知行動療法の治療技法、暴露反応妨害法(ERP)で用いられるツールです。暴露反応妨害法は、主に強迫性障害や恐怖症の治療を目的とした暴露療法(エクスポージャー法)の1つです。
また、不安階層表を用いてイメージを使った暴露治療が、精神科医ジョゼフ・ウォルピが提唱した系統的脱感作法です。
不安階層表では、クライエントが不安や恐怖を感じる刺激や場面を具体的に挙げていき、それらを約10段階、0~100点の強度(SUD)に振り分けて段階的に配列します。
※SUD(Subjective Unit of disturbance):主観的障害単位
●不安階層表の例
不安階層表は、およそ治療者とクライエントが共同で作成します。最も強く不安と感じる場面を100点と設定し、それよりも不安の小さい場面を点数ごとに挙げていき表にします。
表が完成したら、不安の最も小さい場面から実際に体験していき、漠然とした不安や恐怖を事実と突き合わせることで段階的に克服していくことになります。不安階層表を用いる場合には、呼吸法などのリラクセーション法の修得や恐怖反応についての心理学的な説明や教育を同時に実施します。
不安階層表のダウンロード
参考に不安階層表のPDFテンプレートを用意しました。ダウンロードしてご自由にお使いください。
不安階層表(PDF) 19.60 KB
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