行動活性化
行動活性化法は、学習理論に基づく行動療法および認知行動療法の治療技法で、主にうつ病の治療に効果があります。抑うつによって妨害されていたり回避している「ポジティブな行動」を増加させることによって、ネガティブな連鎖を断ち切り症状を治療する方法です。
行動療法の専門家ニール・S・ジェイコブソンは、「行動活性化法」は、うつ病の治療において認知療法(認知行動療法)の治療パッケージと同等の効果が見られると報告しており、行動活性化のうつ病に対する有効性の高さを示しています。
活動スケジュール表
行動活性化法では、活動スケジュール表を用いて日々の行動をセルフモニタリングします。
- 日々の活動を記録し楽しさを評価する(セルフモニタリング)
- カウンセラーと共同でポジティブな活動をピックアップ
- <ピックアップした活動を増やす計画を立てる
- ホームワークで計画を実行する
※クライエントが実行可能で失敗しにくい活動をピックアップする
活動スケジュール表の例
活動スケジュールは、抑うつで「何事にも喜びがない」とか「何をしても楽しくない」といった状況をうったえるクライエントに特に有効な方法です。
楽しんでいる事柄をピックアップすることによって、実は無視していただけで「楽しいこと」も「嬉しいこと」も事実として存在していることを知ることができます。
行動療法の視点では「正の強化」を繰り返す方法と言えます。日々の活動を観察し楽しめることをピックアプしていく作業によって人生に対する興味を高めることにつながります。
活動スケジュール表のダウンロード
参考に「活動スケジュール表(週間)」のPDFテンプレートを用意しました。ダウンロードしてご自由にお使いください。
週間活動記録表(PDF) 24.55 KB
▼ 関連記事 ▼
認知行動療法とは?治療の方法とカウンセリング技法
認知行動療法とは何か?その特徴や保険制度、治療計画とセッションごとの内容などCBTの基本を解説しています。また、治療技法の紹介や第三世代の認知行動療法までを分かりやすく説明しています。