脱フュージョンの概要とテクニック

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脱フュージョン

脱フュージョンは、認知行動療法の第三世代と呼ばれる、マインドフルネスを概念とするアクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)で用いられている技法。認知的脱フュージョンとも呼ばれ、認知的フュージョンから思考(文脈)に距離をもたせる方法です。

認知的フュージョン

・出来事:仕事でミスをして上司に叱責された

・認知(イメージ):「自分は無能なダメ人間だ」

仕事でミスをして自責の念から落ち込んで「自分は無能なダメ人間だ」と思うと、そのイメージが現実と結びつき(フュージョン)何をするにしても、どんな時でも「自分は無能なダメ人間だ」と信じるようになる。これが、認知的フュージョンと呼ばれる現象で、人間はイメージと現実を脳内の同じ分野で処理しているため区別ができないことで生じる。

「認知的フュージョン」:思考したイメージ現実

認知的脱フュージョンは、上の例に挙げたような好ましくない認知的フュージョンを脱するために、思考のイメージと現実の自分の間に距離をとって区別する方法です。

脱フュージョンのテクニック

1.「..と考えた。」

「自分は無能なダメ人間だ」とネガティブなイメージを持ったときに「ダメ人間だ」「ダメ人間だ」「ダメ人間だ」・・と何度も繰り返し口に出し、最後に「・・と考えた。」と付け加える方法。⇒繰り返し口に出すことでイメージを音声や言葉に分離する行動になり、さらに「と考えた。」とすることでイメージと自分の間に距離がとれ巻き込まれない。

2.「ダメ太郎」

「自分は無能なダメ人間だ」と思っているのは、自分ではなく「ダメ太郎」が言っているのだと、言語イメージにラベルを貼ることで、自分と現実とイメージを区別する。

3.歌にする

ネガティブなイメージを明るい曲に乗せて歌ってみる方法。「じぶんは~むのうで~ダメダメなにんげんだ~~♪」ネガティブなイメージを歌にすることで、文脈の持つ意味が曖昧になり一気に思考との距離が取れる。

4.アナウンサーになって報道する

「臨時ニュースをお伝えします。私が取引先に渡す書類を作成したとのことですが、書類に不備があり上司に「バカ野郎」と怒鳴られたもようです。さらに同僚や部下の冷たい視線を受けたとの情報です。私は逃げ出したい気持ちと「自分はダメ人間だ」という思いで胃痛に襲われております。しかし、病院へ行くことはなく市販の胃薬で対処可能だと言う見解が示されております。・・・・」

脱フュージョンのテクニックはこのほかにも無数にあります。理論があてはまればいくらでも作り出せるので、自分で作ってみてもいいと思います。使いやすいテクニックを覚えてストレスを感じたときに実践できると便利です。


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