行動療法の技法、タイムアウト法の紹介
タイムアウト法
タイムアウト法は、好ましくない行動を減少させる方法として用いられる行動療法の技法のひとつ。特定の行動を強化する可能性がある刺激(強化子)をタイムアウトを取るように遮断し、取り除くことで行動を減少させる。オペラント条件付けに基づく負の罰を利用した方法です。
例えば、友達をたたいて悪さをしている子供に注意をしても聞かなかったとします、そこでスポーツのようにタイムアウトを宣言し、部屋の隅に置いた椅子に座らせ数分間じっとしているように指示します。椅子に座っている間は本人に声をかけたり視線を送ったり、叱ったりすることはしません。既定の時間が過ぎたらタイムアウト終了を告げて終わりです。
叱るという行為は、本人にとって「かまってもらっている」「相手にしてもらえて嬉しい」というプラスの意味を持っているので、行動を増加させる可能性もあります。そのため、叱る、褒める、視線を送る、説得するといった関わりを断つことは、プラスの意味を奪うだけではなく、寂しさや孤独という罰を与える方法でもあります。
この技法は、主にADHDなどの問題を持った児童の教育に用いられますが、子供のしつけに効果的だとして日本でも子を持つ親には知られた技法です。
タイムアウト法のやり方
- おこなってはいけない事を事前に教えておく。
- 行動が起こったら止めるように何度か注意する。
- 注意を聞かないときはタイムアウトを宣言する。※初めての場合はタイムアウトの椅子へ誘導し、終わりと言うまで座っているように教える
- 椅子に座ったら注意や叱ることは止めて時間の経過を待つ。
- 時間になったら終了を伝える。※終わっても褒めたり、叱ったりしない
タイムアウト法のポイント
- ・タイムアウトの時間は年齢につき1分(3歳なら3分)
- ・子供を矯正する目的では用いない。他人に迷惑をかける行動や自分が困る行動が主な対象
- ・孤独にさせることも目的ではありますが、一人にして遊び始めると意味がないので視界に入っている範囲が適切
- ・場所は選ばないので家でも外でも可能
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