オペレント行動の強化プログラム、強化スケジュールの紹介
目次
強化スケジュール
どのようなタイミングで強化を与えると効率よくオペラント行動を強化できるかを研究し、スケジュールとして分類を示したもの。
連続強化(固定強化)
反応があるたびに強化すること。
例:自動販売機のように行動(お金を入れてボタンを押す)のたびに強化子(ドリンク)が与えられるようなイメージ。
間歇強化(変動強化)
毎回ではなくときどき強化すること。間歇(かんけつ)強化は、連続強化に比べて強化されやすく消去されにくい(消去抵抗)。
例:競馬で毎回馬券を購入するが勝てる日(強化子)もあれば負ける日もあるといったイメージ。
基本の強化スケジュール
定比率スケジュール(FRスケジュール)
一定回数の反応後に強化する。
- 例
- FR10:10回片付けができるたびにおもちゃを与える
- FR20:来店20回毎に商品券が貰える
変比率スケジュール(VRスケジュール)
反応回数ごとに強化するが、強化までの反応数が不規則に変化する。
- 例
- VR5:1/5の確率で当たりが出る自販機
定間隔スケジュール(FIスケジュール)
一定の時間が経過してから最初の反応を強化する
- 例
- FI1ヶ月:1ヶ月間の労働ごとに給与が与えられる
- FI30分:30分ごとにエサを与える
変間隔スケジュール(VIスケジュール)
一定時間の経過ごとに強化するが、強化までの時間が不規則に変化する。
- 例
- VI30分:3時間で6匹の魚が釣れた
下のグラフはスキナーがおこなったハトの実験の記録です。定比率と変比率では休みなく反応していることが分かります。
複合スケジュール
2つ以上の強化スケジュールを組み合わせて用いる方法。混合、多元、並立、連鎖など、さまざまな組み合わせのスケジュールがある。
消去抵抗
消去抵抗とは、条件づけられたオペラント行動を消去しようとしたときに、どれだけの回数や時間がかかったのかという消去のされにくさのこと。
『消去』=強化子の提示を止める
「間歇強化(変動強化)のほうが連続強化よりも消去抵抗が強い」
ハンフレイズ効果(強化矛盾)とも呼ばれ、一定の強化よりも不規則な強化をしたほうが強化子がなくなっても行動が維持されやすい。※基本スケジュールでは「VR」と「VI」
ギャンブル依存やDV
パチンコで普段は負けているのにたまに勝つことがあると、次にまた勝てるのではないかと期待して止められなくなる。酷い暴力を受けているのに、たまにすごく優しいときがあるからと離れられなくなる。これらが強力で消えにくい間歇強化の特徴です。