自我状態とは
自我状態は「思考・感情・経験によっておこる一連の行動パターンが統合されたシステム」と定義されます。簡単に言うと、人間の中には特徴的な3人が住んでいて、その3人のパワーバランスがその人の人格を表していると考え、それらを自我状態と呼んでいます。
3つの自我状態(3人の私)
P「親の自我状態」
育ててくれた人の影響を受けて取り入れた考え方や行動。親の自我「P」は、父性的な自我である「CP」と母性的な自我の「NP」がある。
CP(父性):批判・道徳「~すべきだ」「それは当然だ」
NP(母性):優しさ・保護「~してあげる」「私に任せて」
A「大人の自我状態」
知識・経験から冷静に判断する、データ処理をするように思考するコンピューターのような部分。Aが高いと冷たい人と思われやすい。
C「子供の自我状態」
本能的な行動。子供のころの感覚を残している部分。子供の自我「C」は、自由な子供の「FC」と順応な子供の「AC」がある。
FC(自由):自己表現する。わがままな子「ワーキャー」「欲しい」「嫌い」
AC(順応):自分を抑える。ひかえめな子「我慢強い」「自信がない」
構造分析の方法
構造分析とは、人格をあらわすP・A・Cを使って自己を分析することです。P・A・Cのバランスや強弱を観察すると、自分自身の性格傾向が分かるとともに、それによって起こりうる問題の対処を考えることができます。
P主導:Pが中心だと、強迫的であったり心配性、胃潰瘍やうつの心配
A主導:仕事はできるが、抑圧された感情から突然トラブルを起こす
C主導:子供っぽい。他者や物質に依存しやすい
3つの自我状態から主導権を握っている自我が分かると、およその性格傾向が見えてきます。
自我状態を測定する
このP・A・C、3つの自我状態のエネルギー量を測定しグラフ化したものを「エゴグラム」と言います。日本では「東大式エゴグラム」が有名で、東大式エゴグラムは53問の質問に答えることで自我状態をグラフ化することができます。
東大式エゴグラムは販売されていますが、個人販売は見受けないので試してみたい方は正式なものではないですが、簡易版を公開しているwebサイトやスマートフォン用のアプリもあるようなので試してみるといいかもしれません。
エゴグラムの典型的な例
エゴグラムで測定しているのは「今ここ」での性格傾向なので、一年後には変わっている可能性があります。また、Cが低い人が意識的にわがままに振る舞うことでCを上げていくというように変えていくことができるのが自我状態の性質です。
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