抑圧とは|防衛機制こころのメカニズム

精神分析の概念である防衛機制の「抑圧」について解説します

防衛機制の詳細はこちら防衛機制の一覧と例文

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抑圧とは

不安や苦痛となる考えや記憶を無意識に押し込み忘れさせるこころの働き

※意識的な抑圧は「抑制」という。

抑圧は、精神分析の基本概念の一つとも言われ、防衛機制のメインとなる働きです。「抑圧」と漢字で見ると圧迫するとか、押さえつけるようなイメージを持たれる方が多いのですが「排除する・消す・忘れる」といったニュアンスが適切です。

辛い気持ちを自覚しながら表に出さないようにする、気持ちを押し殺す。というのは「抑制」といい混同されやすいですが「抑圧」とは別の働きです。抑圧では、気づかないうちに意識から排除されてしまうため、基本的に本人には分かりません。

抑圧の具体例

●友人に借りたDVDが置いた場所にない、探しても見つからない。

⇒友人が自分の恋人と親しげにしているところを見た翌日にDVDを紛失した。実は、友人と恋人が自分の誕生日を祝う計画をしていたのだと知った途端にDVDが見つかった。※何かを紛失したり置き忘れるという行為の裏に、抑圧された何かがあることは多い

●楽しみにしていた旅行の日をすっかり忘れ、ホテルからの連絡で気がついた。

⇒同行者との直接的、または間接的なトラブルによって抑圧が働き忘れてしまった可能性もある

●近いうちに携帯電話の機種を変更しようと考えていた矢先、携帯を落として壊してしまった。

⇒今の携帯電話に対する不満や機種を変更したいと思う焦り、新機種利用者への嫉妬など、膨らんだ感情が抑圧された可能性が考えられる※無意識的な行動で自ら壊した

●業務上で必要なメールを送信し忘れる、宛先を間違える。

⇒メールの内容に自信がなかった、送信先の相手とトラブルを抱えていたなど、単純なミスのようにみえてそうではないこともある

抑圧の病理論と治療

★ヒステリー(神経症)患者にみられる典型的な抑圧

⇒フロイトは、ヒステリー(神経症)患者の多くが子供のころに性的虐待を受けていることを発見し、ヒステリーの病因として発表しています。虐待を受けた子供は、不快な感情や記憶を抑圧して忘れていますが、抑圧された感情や記憶が身体症状となって出てくるのです。

こうした身体症状は、不思議なことに抑圧された不快な体験を思い出すと症状が消えていきます。精神分析では、自由連想法を用いて抑圧された体験を思い出すという治療をおこないます

抑圧が原因となる症状:神経症・強迫性障害など

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