精神分析の概念である防衛機制の「否認」について解説します
- 否認|防衛機制
- 否認とは
- 否認の具体例
防衛機制の一覧はこちら⇒防衛機制の一覧と例文
否認とは
認めたくない現実、不快な体験や欲求を無意識的になかったことことにしてしまうこと。視界に入っているが見えていない、聞いているが聞こえていない、知っているはずが知らないといったように、その現実や体験を存在しなかったことにする。
抑圧も不快なことを忘れさせる働きをしますが、否認の特徴は知覚したうえで、その現実や体験をかたくなに認めないことです。「見て見ぬふりをする」といった状態で、現実を知覚している自我と、その現実は受け止めきれないとして認めない自我とが分裂した状態とされる。
否認の具体例
●「あの医者は間違っている。私はアルコール依存ではない」
⇒明らかに病気の人が、自分の症状を否認してしまい病識を持てないことは少なくない。
●あの人が言う事は絶対に信頼できる。
⇒狂信的に人を慕っている場合など、その人の言葉以外は聞き入れることができない状態も否認の働きがある。