マインドフルネス認知療法
マインドフルネス認知療法(MBCT:Mindfulness based cognitive therapy)は、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)を基に再発性のうつ病を治療するために最適化した援助技法。
近年、うつ病の治療においては薬物治療の発展が著しく、抗うつ薬などの服用で早期回復が期待できる病気です。しかし、60%という再発率の高さが問題であり、慢性的にうつを繰り返す患者が多いのが現実です。この再発の問題に焦点をあてたプログラムがマインドフルネス認知療法であり、一定の割合で再発率を下げることに成功している。
●マインドフルネスとは
マインドフルネスは、ブッタの教えである仏教の「禅」の精神から生まれた考え方で、認知行動療法の第三世代を代表する概念のひとつ。
マインドフルネス:「今ここの現実をあるがままに知覚し、感情に囚われたり価値判断をおこなわない状態。さらに知覚した状況を意識しながら、少し離れた視点で(客観的に)自身の思考や感情、身体感覚や周囲の状況に注意を向け観察に徹すること」
マインドフルネスストレス低減法(MBSR)
マサチューセッツ大学の医学部教授ジョン・カバット・ジンによって、痛みや病気などのストレスを軽減することを目的に考案された方法。マインドフルネス瞑想とも呼ばれ、仏教の瞑想を認知行動療法の概念を用いて体系化した技法です。
●マインドフルネス認知療法のプログラム
MBCTは、8週間のプログラムでおこなうグループ療法として構成されています。
身体観察、思考観察、呼吸法、ヨガ、静座瞑想、歩行瞑想などの訓練がおこなわれ、マインドフルネスを日常生活の中で実践できるようにプログラムされています。
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