行動療法の行動強化の技法、トークンエコノミー法の紹介
トークンエコノミー法
トークンエコノミー法は、クライエントの特定の行動を増やしたり強化するためにトークン(代理貨幣)と呼ばれる報酬(ごほうび)を与え、報酬が一定の量にたまったらより具体的な報酬を与える方法。
行動の強化を目的に用いられるオペラント条件付けを応用した技法で、主に幼児や障害児童の教育に用いられている。
ポイントカード
トークンエコノミー法を象徴するのが財布の中に何枚も入っているポイントカードです。買い物をするとポイントが貯まり、一定のポイントが貯まると商品や金券と交換できるというシステムが、実はトークンエコノミー法を用いた行動強化です。
多くの人が、店舗ごとに何枚もポイントカードを持っていますし、マイラーと呼ばれる航空マイルを貯める人達、ポイント集めが大好きなポイントマニアな人達を考えるとトークンエコノミー法の行動強化がいかに強力で社会に浸透しているかが分かります。
ポイントカード
- ①商品を買う(行動)
- ②ポイントが貰える(強化子)
- ③ポイントが貯まって特典が貰える(報酬)
トークンエコノミー法のやり方
例:片付けが苦手な子供
- 目標設定:出したおもちゃを片付ける
- 強化子:片付けをするとポイントカードにキャラクターシールが1枚貰える
- 報酬:シールが10個たまると、おやつに大好きなシュークリームが貰える
- 目標を決める
- 子供にシステムを説明し報酬を決める
- ポイントカードやポイント表をつくる
- 片付けができたらシールをあげる(強化子)
- シールと同時に「褒めて」あげる(強化子)
- シールが10個たまったらシュークリーム(報酬)
- 片付けが自然にできるようになる
実施上のポイント
- 罰は行動強化にならないので極力使わない
- 共同作業を心がける。一緒に報酬を決めて一緒に表をつくる
- できるだけ「褒める」こと大切にする
- 本人の置かれている環境や能力に考慮する
- 矯正しようとしない、問題解決として用いる