暴露療法(エクスポージャー法)の紹介
暴露療法
暴露療法は、強い不安や恐怖を感じる刺激にあえて曝す(暴露する)方法です。例えば、強い潔癖で少しの汚れでもひどく不安になる人に便器の水をかけたり、ゴミ溜めの中で生活させるといった少し過激な治療法です。
理論は簡単で「慣れる」ことです。汚れたからといって死ぬことはない、ゴミの中でも生活できると学習することがこの治療の狙いです。主に強迫性障害、パニック障害、PTSD、各種の恐怖症や不安症の治療に用いられている行動療法および認知行動療法の技法です。
暴露療法の3つの技法
暴露反応妨害法(ERP)
暴露反応妨害法は、「不安階層表」というツール(不安や恐怖を感じる刺激や状況を具体的に複数挙げていき、それらを約10段階、0~100点の強度(SUD)を付加して段階的に配列した表)を用いて、不安の小さいことから徐々に暴露していく方法です。
詳しくはこちら|不安階層表(暴露反応妨害法)
系統的脱感作法
☆イメージを使ったERP
系統的脱感作法は、精神科医ジョゼフ・ウォルピが恐怖症に対する治療法として提唱しました。逆制止法をベースに暴露法(エクスポージャー法)とリラクセーション法を組み合わせた方法です。
暴露反応妨害法(ERP)と同様に、不安階層表を用いてストレスの強い場面を設定し、段階的に恐怖反応を打ち消していきます。ERPとの違いは、不安を感じる場所や状況を実際に体験して暴露するのではなく、その状況をイメージする、想像する方法を使うところです。主に強迫性障害や恐怖症の治療に効果があり、現在ではスタンダードな治療法に位置付けられます。
詳しくはこちら|系統的脱感作法
フラッディング法(洪水法)
フラッディング法は、上の2つと違い段階を踏まずに不安や恐怖の洪水に放り込む方法です。初めの例えのように、潔癖の人に汚水をかけたり、閉所恐怖の人を狭い場所に閉じ込めたりといったように、強いストレス状況にいきなり曝す技法です。はじめはパニックに陥りますが、パニックが治まるころには徐々に不安が小さくなっていきます。
不安階層表のダウンロード
参考に暴露反応妨害法と系統的脱感作法で用いる不安階層表のPDFテンプレートを用意しました。ダウンロードしてご自由にお使いください。
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