摂食障害
摂食障害は、太ることを恐れ極端な食事制限や過食嘔吐を繰り返す行動をみせる病気です。見た目には病的に痩せてガリガリな状態にもかかわらず、本人は「痩せてない」と、しばしば自身の身体イメージに歪みが見られます。
また、摂食障害は、痩せた体型と食事制限を特徴にする拒食症(神経性無食欲症)と、強い衝動的な食欲にかられ過食嘔吐を繰り返す過食症(神経性大食症)に分類されます。
拒食症
拒食症は、正式名称を神経性無食欲症といいます。特徴としては、肥満を恐れて極端な食事制限をしているため、見た目には不健康でいわゆるガリガリな状態ですが、多くは自分が痩せていることを自覚していません。一部には過食症状も見られるが、過食症との大きな違いは食べることへの欲求の違いと極度に痩せた体型です。
- 拒食症:太るのが怖い!痩せたい。もっと痩せたい!
- 過食症:めちゃくちゃ食べたい!でも太りたくない!
- 極度の痩せ体型
- 好発年齢:10代から20代前半
- 女性は男性の3倍
拒食症の診断基準
- 肥満に対する病的な恐れ
- 事実と異なる身体イメージ
- 極端な食事制限
- 女性:月経の停止
- 男性:無性欲・性的能力の消失
- BMI:17.5未満
拒食症の症状
拒食による栄養の欠乏によって、さまざまな症状が現れる。重篤な状況になると衰弱し、死に至ることもある。
●主な身体症状:便秘、体力低下、免疫力低下、性的能力の消失、抑うつ、不整脈、低血糖、低血圧、貧血、骨粗しょう症etc
拒食症の原因
拒食症につながると考えられる主な要因です。
拒食症の原因
- 遺伝の要因
- 親の過保護、または愛情不足、厳しいしつけ
- 強迫性障害、強迫性パーソナリティ障害
- ダイエットに対する社会文化的な要因
拒食症の治療
- 内科治療
- 入院治療
- 対人関係療法
- 認知行動療法
- 対人関係療法
- 家族療法
まず、体重を増やすことが第一となるため、内科的な治療が必要になります。心理療法は対人関係療法が効果的といわれています。治療により、半数以上は完治か改善が見込めますが、約20%ほどが慢性化し、約5%が自殺か不整脈などで死亡するといわれています。
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